CHALLENGE 2024.12.10
CXレースでのタイヤ選びのコツがわかる!西山みゆき選手レースレポート
Challengeがサポートする西山みゆき選手のレースレポートを公開!
日本のトッププロ選手が、どのようにコースを分析してタイヤ選びをしているか、とても分かりやすいレポートです。ぜひご覧ください。
レース:湘南CX@開成
使用タイヤ:F:HTU CHICANE/1.8ber、R:HTU CHICANE/1.8ber
順位:WomanMasters/1位
路面コンディション:ドライ
シーズンインのレースで湘南シクロクロス開成のコースを走りました。
開成のコースは、富士山や東海道線の電車が見えるロケーション抜群の河川敷の平坦基調コースです。
全体の2/3は芝で、残り1/3は、舗装路、階段、土路面のキャンバーがあるレイアウトです。
今年は夏の暑さが長引いていたせいか、6〜7センチ程度もある芝が元気よく青々と茂っていました。
レースは、WL2/3から1分後にU17と同時スタートで開始。スタートは、クリートキャッチをミスしてU17選手に先行されましたがすぐ先頭にたち、その後は、1分前にスタートしたWL2/3の選手を一人ずつキャッチして行き、全員クリアして1位でゴール。
途中、前にいた選手を抜いた後、インに入った左コーナーでコントロールをミスしてしまい、杭にハンドルブラケットを当て体制を崩してしまいましたが、ロングストレートや横方向のキャンバーなど、コースの大半を占めていた生い茂る芝セクションでCHICANEはよく進み、アドバンテージになると感じました。
レース:御殿場CX@高根西ふれあい広場
使用タイヤ:F: HTU GRIFO/1.7ber、R: HTU GRIFO/1.7ber
順位:WomanMasters/1位
路面コンディション:ドライ
JCXシリーズ戦の御殿場CXは、スタートゴール付近の砂利と舗装路以外は、森林の中の木々を縫うように上下左右にくねくねとコーステープが貼られたテクニカルなコースレイアウトで、前日に雨が降った影響で全体的に湿っていて、所々に泥の箇所もありスリッピーではないものの、集中して走らないと落車に繋がる路面になっていました。
富士山の溶岩砂利が敷かれているスタートの直線ではうまくスピードに乗れませんでしたが、舗装路で体制を立て直して森林へ向かう横キャンバーへ入っていきました。
空気圧が高めだったので、90度コーナーでリアタイヤをコントロールできずに、バランスを崩してしまい危うい場面がありましたが、サイドへのグリップが効いていたのでそこまでスライドせずに足つき程度で済みました。
少し深めの溶岩砂利のセクションや、水溜りになっていて泥にはまりかねない箇所でもGRIFOで問題なく進めました。
レース:幕張CX
使用タイヤ:F:HTU CHICANE/1.7ber、R:HTU CHICANE/1.7ber
順位:WomanMasters/1位
路面コンディション:ドライ
幕張CXは、全体の80%が芝、他は砂利と土で20%程度の未舗装のレイアウトで、縦方向の土壁のようなキャンバーが3箇所と、コースの大半を占めている芝区間は、登り基調のコーナーがあったりと、パワーとテクニックが必要なコースです。
昨シーズンは、土壁キャンバーの縦方向へのグリップが気になりGRIFOで走りましたが、芝の路面が大半を占めているコースなので今年はCHICANEをチョイスしました。
土壁キャンバーは、1回のみギアの選択ミスで上りきれず足つきしましたが、他はトラクション不足で失速することもなく、全て乗車でクリアしてレースを進めることが出来ました。
芝区間は、枯れ気味でドライなコンディションだったため全体を通してよく進み、コーナーではサイドノブが芝にかかるので安定したグリップ力がありました。
レース:松伏CX
使用タイヤ:F:HTU CHICANE/1.8ber、R:HTU CHICANE/1.8ber
順位:WomanMasters/1位
路面コンディション:ドライ、泥
全日本前の最終レースで松伏CXを走りました。ほぼ全面が芝で覆われた舗装路面がないコースで、スタートゴール付近に設定された平坦区間以外は、小高い丘を登り下りする登坂力のいるコースレイアウトでした。おまけに、平坦区間にも丘区間にも所々に泥の箇所があり、パワーとテクニックも必要なコンディションに仕上がっていました。
泥が主張しているこのコースコンディションだと、GRIFOかLIMUS系を選択し、1.5ber以下の低圧で走るほうが安心ではありますが、スピードが乗る区間の路面はドライで凸凹がなく高圧でも走れることと、丘区間の登坂で泥の箇所は、横に流れるコーナー付近が多く、1つ1つの距離も短いので、あえてスピードの乗る区間に合わせてCHICANEをチョイスしました。
小高い丘区間は、直登が3−4箇所であとは、横や斜めへ振ってコーナーにはいるラインの登り下りだったので、CHICANEのサイドノブが芝によく刺さってグリップして、普段、このようなコンディションで選択するGRIFOよりコーナリングの安定感があり、攻めた走りができたと感じました。
立体的な登り下りの泥コーナーも、LIMUS系と似たサイドパターンが効いて、そこまでトラクション不足を感じることなく進みました。